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J-GLOBAL ID：201502210329494289   整理番号：15A1103534

水草堆肥を施用して土壌のリンを効率的に利用する

著者 (6件)： 大園享司 (京大 生態学研究セ) ,  松岡俊将 (京大 生態学研究セ) ,  藤永承平 (京大 生態学研究セ) ,  保原達 (酪農学園大 農食環境学群) ,  奥田昇 (京大 生態学研究セ) ,  奥田昇 (人間文化研究機構 総合地球環境学研)
資料名： 地球環境  (Global Environmental Research)
巻： 20  号： 1  ページ： 11-16  発行年： 2015年 
JST資料番号： L3597A  ISSN： 1342-226X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 有限の資源であるリンを集水域のなかで効率的に利用し,なおかつリンによる環境負荷を抑制するためには,農地から河川,湖沼に至る集水域スケールでリン資源の再利用・再資源化・利用削減を推進することが不可欠である。それを効果的に進める方策の一つとして,本稿では「農耕地における水草堆肥の利用」を提案し,その実現可能性を検証した圃場実験の結果を紹介する。異常繁茂する水草の刈取り事業により,琵琶湖から陸域へと運搬される水草の量は乾重で年間435トン,そこに含まれるリン量は2.61トンと推定された。水草堆肥の施用は土壌への炭素供給をつうじて,菌類の種組成の変化とリンの無機化に関わる酵素の活性化を引き起こし,作物の生長を促進することが圃場実験により示された。この結果は,水草を堆肥として施用すれば,土壌蓄積リンの再利用をつうじて作物生長を維持することができ,化学肥料の利用削減に貢献しうることを示唆している。(著者抄録)

シソーラス用語： *堆肥 ,  *水生植物 ,  *リン ,  流域 ,  減少 ,  負荷 ,  資源 ,  再利用 ,  資源再生 ,  農地 ,  圃場試験 ,  湖沼 ,  菌類 ,  作物収量 ,  ホスファターゼ
準シソーラス用語： リン資源 ,  環境負荷低減 ,  集水域 ,  水草 ,  *土壌リン ,  琵琶湖

分類 (2件)： 土壌の肥沃性  (FB04060Y) ,  ごみ処理  (SC05030O)

引用文献 (27件)：

• 堀田悟・園田敬太郎・武久邦彦・西堀康士・山田善彦(2010)滋賀県における農耕地土壌の実態と変化(第2報)土壌理化学性の変化と施肥の実態.滋賀県農業技術振興センター研究報告,49,33-43.
• 三島慎一郎・神山和則(2010)近年の日本・都道府県における窒素・リン酸フローと余剰室素・リン酸の傾向に関する算出方法とデータベースおよび運用例.農業環境技術研究所報告,27,117-139.
• 齋藤政典(2011)リン資源の枯渇と農業生産への有効利用.生物の科学・遺伝,65,32-38.
• 後藤逸男(2010)バイオマス資源と製鋼スラグ中のリン.日本土壌肥料学会(編),文化土壌学からみたリン,65-100,博友社.
• Matsubae-Y. K., H. Kubo, K. Nakajima and T. Nagasaka (2009) A material flow analysis of phosphorus in Japan. The iron and steel industry as a major phosphorus source. Journal of Industrial Ecology, 13, 687-705.

タイトルに関連する用語 (4件)： 水草 ,  堆肥 ,  土壌 ,  リン