ドラゴンの心臓:’スケーリーフット腹足類’(軟体動物門:腹足綱:ネオンファルス目)の3D解剖学的再構成はその驚くべき循環系を明らかにする

CHEN Chong; COPLEY Jonathan T.; LINSE Katrin; ROGERS Alex D.; SIGWART Julia D.

文献

J-GLOBAL ID：201502210495930461 整理番号：15A0829285

ドラゴンの心臓:’スケーリーフット腹足類’(軟体動物門:腹足綱:ネオンファルス目)の3D解剖学的再構成はその驚くべき循環系を明らかにする

The heart of a dragon: 3D anatomical reconstruction of the ‘scaly-foot gastropod’ (Mollusca: Gastropoda: Neomphalina) reveals its extraordinary circulatory system

出版者サイト複写サービスで全文入手 {{ this.onShowCLink("http://jdream3.com/copy/?sid=JGLOBAL&noSystem=1&documentNoArray=15A0829285&COPY=1") }}
高度な検索・分析はJDreamⅢで {{ this.onShowJLink("http://jdream3.com/lp/jglobal/index.html?docNo=15A0829285&from=J-GLOBAL&jstjournalNo=U7029A") }}

著者 (5件)： , , , ,
資料名：
巻： 12 号： June ページ： 12:13 (WEB ONLY) 発行年： 2015年06月
JST資料番号： U7029A ISSN： 1742-9994 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：イギリス (GBR) 言語：英語 (EN)

序文:インド洋の深海熱水噴出孔生態系に由来する’スケーリーフット腹足類’(ウロコフネタマガイChrysomallon squamiferum,Chenら(2015))は,局所的に高密度に出現する活動的な移動性腹足類であり,それはその足部の外表面を覆う皮膚鱗により識別される。これらの硫化鉄被覆硬皮と内共生細菌に対するその栄養依存性の両方が,硫化水素フロー中での極限環境への適応として注目されている。著者らは,内部の解剖学的構造の解剖と3Dトモグラフィー再構成により,極限環境で生存するための’スケーリーフット腹足類’での他の適応に対する証拠を示す。結果:著者らの幼体と成体の解剖学的調査は,大規模には神経節化されていない神経系,単純で縮減された消化器系,および本動物が同時性に雌雄同体であることを明らかにする。著者らは,ウロコフネタマガイChrysomallon squamiferumが幼生期以降は一貫して内部共生菌に依存することを示す。特に興味深いこととして,Chrysomallon属は,血体腔で満たされた拡大性の血洞により支持された大型のくし鰓を有する。くし鰓は宿主へ酸素を提供するが,循環系は他の同様な開孔腹足類の範囲を超えて広がっている。くし鰓後部は著しく大きくてよく発達した心臓である。心耳と心室の容積に基づき,心臓複合体は,身体体積の約4%に相当する。この相対的に巨大な心臓はくし鰓を介して血液を吸引し,高度に血管化した食道腺へ血液を供給する。したがって著者らは,精巧な心臓血管系が酸素欠乏環境において内部共生菌を酸素化するため,もしくは内部共生菌へ硫化水素を供給するために進化した可能性が最も高いと推測する。結論:本研究は,いかにして生物個生態学の理解が詳細な内部解剖学的構造により深まるかを例示する。本腹足類は,熱水噴出孔領域生態系に豊富に存在する大型の活動性種である。さらにその明確な特徴の全て,すなわち保護性の皮膚硬皮,循環系,高い生殖能力も,その内部共生微生物叢への有益な適応とみなすことが可能である。著者らは,これらの結果を,極限化学合成環境におけるエネルギー必要性を解決するための特化の結果として,この劇的なドラゴンのような種が,その細菌のために脈管を有することになったと解釈する。(翻訳著者抄録)

, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,
, , , , , ,

動物形態学・解剖学一般 , 異種生物間相互作用

, , , , , , , , ,

前のページに戻る