文献

J-GLOBAL ID：201502210851613786   整理番号：15A0787855

ほう酸による低セメントキャスタブルの硬化遅延機構の解析

Analysis of Setting Retarder Mechanism of Low Cement Castables with Boric Acid

著者 (3件)： 宮島正吾 (大光炉材) ,  大場遵 (大光炉材) ,  石川誠 (大光炉材)
資料名： 耐火物  (Refractories)
巻： 67  号： 7  ページ： 320-332  発行年： 2015年07月01日 
JST資料番号： F0515A  ISSN： 0039-8993  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： アルミナ質骨格を含む低アルミナキャスタブルの硬化に対するほう酸の影響について解析するため,まず,アルミナセメント分散液のろ液にほう酸を添加し,ほう酸と各種イオンとの反応を観察する実験を行った。その結果,ほう酸のアルミナセメントの水和反応に対する以下の遅延モデルを推定した。ほう酸の添加で分散液のpHが低下と共に,ほう酸はアルミナセメントから溶出したAl,Caイオンと反応し,アルミナセメント表面にゲル状沈殿物の保護膜を形成する。この膜は各種イオンや水分子の拡散に対する選択性を有し,Al,Caイオンの拡散は抑え,水和反応を抑制する。一方,膜内部の水和反応で生じるOH^-イオンは拡散できることで,分散液のpHは徐々に上昇してゆき,ゲル状の沈澱膜が溶解し,再び水和反応が進行する。また,種々の検討の結果,この様なほう酸の遅延モデルは,低セメントキャスタブルの硬化挙動に適用できることを確認できた。

シソーラス用語： *キャスタブル耐火物 ,  アルミナセメント ,  *硬化 ,  *水和 ,  *水和反応 ,  水酸化アルミニウム ,  沈殿物 ,  *ホウ酸 ,  時間 ,  反応速度 ,  添加物効果 ,  カルシウム化合物 ,  金属イオン ,  アルミニウム化合物 ,  pH依存性 ,  溶出
準シソーラス用語： アルミニウムイオン ,  カルシウムイオン ,  硬化時間

分類 (1件)： 耐火物  (YC04030N)

引用文献 (14件)：

• J. F. Young : Cement and Concrete Research., 2 (1972) pp.415-433.
• 古賀祐司,酒井裕智,串橋和人:耐火物,55[9]440-444(2003).
• K. S. You, H. Fujimori, K. Ioku, S. Goto, J. Soc. Inor. Mat. Japan, 9, 137-142 (2002).
• 中村専一:窯業協会誌,86[10]437-443(1978).
• Z. G. Szabó, L. J. Csányi, M. Kávai, Zietschr. anal. chemie, 146 401 (1955)

タイトルに関連する用語 (4件)： ほう酸 ,  硬化 ,  遅延 ,  解析