抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,省エネルギー化のさらなる進展に伴って,半導体電力変換回路を用いた家電機器が増加しつつある。これらの機器のインピーダンス特性は非線形であることから,配電線に高調波電流が流出し,他の機器への影響が懸念されている。低圧系統における様々な系統構成や多くの機器の使用状態に対する高調波の影響を検討し対策を行うには,家電機器使用時に生じる高調波電流の予測が可能となる簡易なモデルを整備することが重要となる。ところが,家電機器においては内部回路ならびに回路定数が一般には公開されておらず,あらかじめ高調波電流の状況を把握することは困難な状況にある。そこで本研究では,家電機器の一例としてノートパソコンを対象とし,低圧系統で使用した時の電圧・電流波形を測定し,そこから解析モデルを推定する方法を検討した。本稿では,まず,家電機器の高調波電流に対するJIS規格の概要を紹介し,次に,ノートパソコンの電圧・電流の測定回路ならびに無負荷時および使用時の電圧・電流波形を示した。そして,電気回路モデルの推定手順を示した。すなわち,機器使用時に測定した電圧・電流波形から抵抗値を求め,簡易な数式で表せるよう,測定電圧の微分に着目した。測定電圧の微分に相当する,測定波形を3π/2(rad)遅らせた電圧波形をV
D電圧と称し,V
D値に対する抵抗値の関係式を導出して抵抗モデルを構成した。本モデルを用いて電流波形のシミュレーションを行った結果,測定波形の特徴をほぼ再現できる結果が得られた。