抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2000年の国際宇宙ステーション(ISS)の完成以来,80人を超える宇宙飛行士が地球外宇宙での生活の月日を経験している。主に3人の日本のISSの宇宙飛行士(若田,野口,および古川)による手記の分析に基づき,本論文では,ISSでの日々の体験の意味を,心理的,物理的,および存在論の3つの視点から調べた。これらの視点は以下に基づいて選択された。1)心理学的研究では,長時間の宇宙飛行士は,短期飛行宇宙飛行士(Suedfeld等,2010)より普遍主義に対する関心が増加を示した。2)宇宙適応症候群(SAS),筋力の低下および「ムーンフェイス」のようなISSでの物理的な変換を一般的に経験した。医師の宇宙飛行士である古川は,科学的および主観的に,これらの変換について説明し,微小重力環境への人体の急速な適応に驚かされている。3)重力によって定義された垂直軸の周りに形成された基本的な方向システム(Gibson1966)は,ISSで一時的に機能不全になれば,1月かそこらで,宇宙飛行士は,微小重力環境に慣れ,気軽にISSの内部を動き回る。このプロセスは,物事と人体間の相互に関連する構造の再構築として見ることができ,Heideggerは,嘗て人間の存在論的基礎として「世界に精通」と呼んでいる。全体として,本論文では,地球外の文化はISS環境で早い段階で発生されていることを示唆し,人間と地球外自然との間に新しい存在論的な関係が形成されている。(翻訳著者抄録)