抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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元素戦略の観点からの電池電極材料機能化に向けた最優先ターゲットとすべき遷移金属は鉄である。また,反応の可動ゲスト種をリチウムからより豊富で安価なナトリウムに転換すると,負極反応の析出溶解電位が0.3V上昇するため高電圧系構築への障壁が高くなると同時に,イオン半径・体積ともに大きくなるため,高容量実現もはるかに困難になる。このような本質的制限の中で,元素機能の最大抽出によってリチウム系を凌駕するシステム構築を目指している。我々が発見したアルオード石型硫酸鉄ナトリウムは,正極材料として3.8V(対リチウム換算では4.1V)の超高電圧を発生し,エネルギー密度でリチウムイオン電池系と同等以上を見通すことができる。さらに,擬似容量を発現するナトリウムイオン電池用負極材料として,MAX相(一般組成式:M
n+1AX
n,M=Ti,Cr,V,etc.,A=Al,Si,S,etc.,X=C,N,n=1,2,etc.)として知られる層状化合物をフッ化水素酸により処理することで得られる,高導電性MXene層状化合物(組成式:M
n+1X
n)を検討した。エネルギー密度と出力密度を高い水準で両立した擬似容量電極特性を達成し,上述の新規正極材料と組み合わせてフルセルとして作動させたところ,急速充電,長時間の電流供給,充放電を繰り返しても劣化しない安定性などの,次世代電池に必要な性能を満たすことを確認した。(著者抄録)