抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
池のなかから,薄く,仕上げが粗く,多数のへこんだ打痕があり,成分が錫-3%・鉛-3%・砒素-2%・銀-微量・銅-他,という雨乞いに使った可能性がある製作年代不明の口径八寸の半鐘が出土した。地金を節約して薄く鋳造し音にこだわっていない。同径の現代半鐘の音と比較すると,音の長さが極めて短くノイズが多い。外型と内型は挽型法でつくり,龍頭は半面レリーフ原型から2つの鋳型を抜き取り型合わせし埋け込むなど,現代半鐘の製造法と共通性がある反面,成分と薄い肉厚に相異がみられる。さらに,乳は形が不揃いで先が膨らむ形で,燃焼消失原型を用いており,現代半鐘にみられない特殊な技法の可能性が高い。乳には刃物で削ってつくった面取り跡が残り,乳原型は硬質な材料である。寺社の鐘を雨乞いに使用する例は,関東・北信越から九州にかけて多数あるが,薄肉半鐘を用いたものは,今のところ本例のみである。(著者抄録)