抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,企業組織の従業員を対象として実施した調査データを用いて,組織内のコミュニケーションを検討する。組織が有効に機能するためには,組織内のコミュニケーション,とりわけ,実際の業務を担っている部門(現場)と経営方針などを伝える部門(本部)の相互の情報伝達が重要である。しかし,組織の性質上,本部に対して現場の従業員が情報発信をしづらいと感じることが多い。そこで,現場の従業員が本部の「相談を受け入れる姿勢」をどのように評価しているのかと評価の理由を,選択肢による回答と自由回答を用いて分析した。分析の結果,(1)「相談を受け入れる姿勢」を高く評価する理由には,相談した時の対応が良かったことや相談しやすい雰囲気があること,(2)低く評価する理由には,相談への回答が適切ではなかったり,回答自体が得られなかったりしたこと,さらには本部から一方的な情報しか伝えられなかったこと,(3)「相談を受け入れる姿勢」への評価には,本部の情報発信の仕方が影響していることが明らかとなった。現場と本部のコミュニケーションを円滑にするためには,本部が現場からのメッセージを効果的に受容すること,さらには,本部と現場がともに,相手にとって効果的な情報発信を行うことが必要となるだろう。(著者抄録)