抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地域の創生に高齢者が果たす役割は大きい。本稿では,それを実現するために不可欠な,「高齢者の新しいとらえ方」を中心として考察する。これまでの「高齢者は弱い人であり,助けてあげなければならない存在である」というとらえ方は,「誤った常識」の典型であり,それにかわる「新しい常識」が求められている。高齢者そのものに対する見方,正しい接し方,そして正しい支援のあり方について正しい理解をもち,それに沿って新しい地域の創生を考え,計画し,実行していくことが大事である。高齢者のその地域に関する経験と智恵は青壮年者以上に豊かなことが少なくなく,その活用は地域創生においても大きな力となる。高齢者の弱い面は,健康上の問題との関連が深く,その予防と改善は重要な課題である。それには医学などの専門家の関与が不可欠と考えられがちであるが,そうではなく,むしろ「社会参加」が根本的に重要なのだという認識が大事である。これは「医学モデルからの脱却」ともいえる。現状の介護予防は医学モデルに偏っている。しかし,本当に効果があるのは「社会参加」を手段として活用するシステム・プログラムである。地域創生の取り組みそれ自体が,高齢者の社会参加を向上させ,結果的に介護予防としての高い効果を発揮する可能性が大きい。これを意識的に地域創生の取り組みの中に位置づけることが望まれる。