抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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IaaSクラウドなどの仮想化技術が用いられている環境でデータベースを運用する際は,データベース管理システム(DBMS)を稼働させた仮想マシン(DBMSインスタンスと呼ぶ)を増減させ,負荷に応じた伸縮性を実現することができる。しかし,負荷の状況に応じてDBMSインスタンスを増加させることは困難である。DBMSの複製はDBファイル等のコピーを要するため,複製したDBMSを起動するのに時間を要する。また,複製した直後のDBMSはDBデータのキャッシュミスが頻発するため,複製したDBMSは起動直後に複製元と同等の性能を発揮できない。そのためユーザは,負荷を見積もり冗長なDBMSインスタンス数を決定・起動しロードバランサーを調整するといった無駄なコストや管理作業が必要となる。本研究の提案手法はスケールアップマシンを活用した負荷分散に特化したDBMSインスタンス高速複製手法で,同一マシン上で稼働している複製元のDBMSインスタンスのリソースを利用することでDBMSの効果的な複製を達成する。DBMSの複製を高速に作成し起動するために,最初に全てのデータを複製するのではなく,複製先で必要とされたタイミングで,複製元からオンデマンドにDBMSのデータファイルの複製を行う。さらに,複製直後のDBMSがすぐに性能を発揮できるようにするために,VM間でDBMSのキャッシュを共有する。Xen4.4.1とMySQL5.6.21,Linux3.17.2に対して実装し,実験により,読み込み負荷が高いワークロードでは複製の作成が18倍高速化・キャッシュウォーミングが7.5倍高速化,書き込み負荷が高いワークロードでは複製の作成が12倍高速化されることを確認した。(著者抄録)