抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2015年4月24日,中央ネパール西部でM7.8の地震が発生し,大きな被害をもたらした。この地震は,グレートヒマラヤ直下の上盤側のユーラシアプレートと下盤側のインドプレートの境界断層面上で破壊と滑りが生じ,発生したものと判断される。カトマンズ盆地では,高ヒマラヤ変成岩類とその上を覆うカトマンズ・ナップから成る基盤岩の上に,100万年前から現在に至る期間に河川と湖で堆積した半固結~未固結の地層が最大600mほども厚く堆積している。2000~2003年に行った試錐では,最上部の10~15mは含水率が高い砂層であり,その下の40~45mは黒色で有機質なシルト混じりの湖成相で,含水率が高い上にメタンガスを主成分とする天然ガスを含み,コアは簡単に自重で崩壊してしまう程度の強度しか無かった。深度45m以深になるとコアは次第に固結し,100m以深では半固結状態になった。この軟弱な地層が地震の揺れを増幅し,多くの建物を崩壊させた原因の一つであることは間違いない。最後に,今後のカトマンズにおける防災事業に対する提言を簡単に述べた。