抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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帯広畜産大学と帯広農業高校間の市道である弥生新道の道路幅が約2倍に拡幅されることになった。これにより,エゾリスが横断しなければならない距離も約2倍に増え,道路上の滞在時間が長くなると考えられる。また,今までよりも交通量が増え,車のスピードが増す可能性もある。そうなると,もともとエゾリスの交通事故多発地帯であった帯広畜産大学-帯広農業高校間で事故の発生確率がより増加する可能性が高い。そこでエゾリスの安全な道路横断ルートを確保するため,帯広市によってリス用の道路横断構造物の設置が計画されている。より利用効率の高いリス用道路横断構造物を目指すため,2013年5月から11月にかけて,観察者による直接観察とデジタルビデオカメラでの録画によってエゾリスの道路横断を観察した。道路横断個体が確認された際には,横断場所,横断個体数,横断前後の行動,横断方向を記録した。合計30回の観察を行ない,のべ38回の道路横断を確認した。その結果,エゾリスが頻繁に横断する場所は,帯広農業高校の西門付近の特定の地点であった。また,道路横断前後の行動として,横断開始地点に最も近い樹木から地面に降りてきて道路横断後,横断終了地点に最も近い樹木に登る行動が頻繁に観察された。以上のことから,帯広農業高校西門付近に,エゾリスの利用頻度が多い樹木間を繋いだオーバーブリッジを作る事が,エゾリスにとって最も使いやすい道路横断構造物を造る事になるだろう。(著者抄録)