抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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農研機構東北農業研究センターで実施された14年間の生産力検定試験成績を用いて,水稲の収量形成要因を解析した.良食味品種の「あきたこまち」と「ひとめぼれ」,多収品種の「ふくひびき」,および直播適性良食味品種の「萌えみのり」による標肥移植栽培および標肥直播栽培の試験結果,「ふくひびき」と大粒多収品種の「べこあおば」による多肥移植栽培および多肥直播栽培の試験結果を用いた.「萌えみのり」は「ひとめぼれ」と比較して,標肥移植栽培の精玄米重に有意な差異は認められなかったが,標肥直播栽培の精玄米重は有意に高かった.この原因は,「萌えみのり」は直播栽培における倒伏が少ないためと推察された.多肥移植栽培において「べこあおば」は「ふくひびき」と比較して,有意な差異は認められなかったが,12年間の平均値で3.4%の多収であった.収量と関連の深い形質を調査したところ,収量は,穂数,および藁も含めた風乾全重と高い正の相関関係が認められた.精玄米重と6月,7月,8月の平均気温,日照時間の関係を調査したところ,標肥移植栽培においては,6月の日照時間と精玄米重の間に4品種の中の3品種で有意な正の相関関係が認められた.これらのことから,栄養生長期の日照時間が長いと,穂数および風乾全重が増加することによって多収となることが示唆された.今後は,本研究で得られた結果の普遍性と特異性を,日本各地の収量試験のデータを用いて調査する必要がある.(著者抄録)