抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「月の満ち欠け」は,平成10年小学校理科学習指導要領において削除されたが,現行小学校理科学習指導要領では第6学年の内容として取り上げられている。ここでは,地球視点から月の満ち欠けの原理を学習することになっている。そして,中学校3年では宇宙視点から再度月の満ち欠けを学習することになっている。しかし,「月の満ち欠け」の指導に関しては,多くの先行研究により,教える側は指導困難であり,また学習する側にとっては理解困難であることが指摘されている。また,指導する立場の教師自身も十分な理解が得られていないという現状が指摘されている。本研究は,現行小学校理科教科書の内容を分析し,それらの理由を考察した。その結果,地球視点で行った月の観察とモデル実験との整合性をとることが困難であり,地球から見た月と太陽との位置関係と月の満ち欠けの現象の論理的説明が不十分であることがその原因ではないかと考えた。そこで,地球視点から月の満ち欠けを論理的に説明する指導法と,またそれを補足する「月の満ち欠け説明器」の教材を開発しその実践を行った。その結果,十分な教育効果が得られ,小学生でも無理なく「月の満ち欠け」の原理を理解できることがわかった。(著者抄録)