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J-GLOBAL ID:201502214526312317   整理番号:15A0883774

スピン偏極は移るよ,どこまでも:原子気体の光ポンピングによる金属塩の核スピン偏極

A Never Ending Series of Spin Polarization Transfer: Hyperpolarization of Metal Salt by Optical Pumping of Atomic Vapor
著者 (1件):
資料名:
巻: 70  号:ページ: 530-534  発行年: 2015年07月05日 
JST資料番号: F0221A  ISSN: 0029-0181  CODEN: NBGSA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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ガラス容器内の熱い気体原子を分光する際,容器内壁における原子のスピン状態の緩和が,分光計測の精度や感度を低下させる。そのため,壁で電子や核のスピンダイナミクスを妨げずに原子を反射するような緩和防止膜が研究されている。一方,表面において原子の状態が変化するので,反作用として,衝突相手である壁のスピン状態も変化するはずだ。しかし,壁はマクロな環境であり,その反作用を調べるのは難しい。これまでは,反射した偏極原子の状態を観測し,表面をうかがい知るのみだった。最近,表面膜材料の核磁気共鳴により,原子がスピン偏極を表面に移す現象を発見した。以来,表面におけるスピン偏極の注入を調べ,超偏極物質の生成を試みている。一般に,核磁気共鳴では熱平衡状態にある非常に小さなスピン偏極率の核スピン集団を観測する。その微弱な信号を飛躍的に増大させるため,物質を核スピン偏極させる手法が数多く開発されている。その中でも,光の角運動量を使う方法は低温を必要とせず,熱い物質をスピン偏極できる,光ポンピングの難しい物質には,あらかじめ光でスピン偏極した物質から,スピン相互作用により角運動量を移すことも可能だ。このスピン交換光ポンピングの例として,超偏極希ガスがある。核スピン偏極率が高いので,偏極標的として基礎物理実験に供され,磁気共鳴画像診断の造影剤や磁力計に応用される。本稿では,これに類似の,原子が物体表面に接触したときのスピン偏極の移行を紹介する。レーザー光により希薄な原子気体をスピン偏極し,液体や固体と接触させると,表面をとおし,これら凝縮体がスピン偏極する。圧倒的な数差にも関わらず,凝縮体の核スピン集団が偏極するのは,スピン源となる気体原子集団に,常に光から角運動量が供給されるからである。実験では,電子のゼーマン分裂が原子内のスピン結合(電子と核の超微細相互作用)より大きくなる磁場で,ガラス容器中のセシウム原子を光励起する。スピン偏極原子は,気体中を拡散運動しながら,セシウム塩表面に達し,価電子を放出,イオンになる。表面では,結晶のイオンと入れ替わるか,同種核間のスピン交換で偏極を結晶に移すことにより,角運動量を注入する。数秒間光を照射すれば,セシウム塩にスピン角運動量が蓄積(セシウム核がスピン偏極)するので,その核磁気共鳴信号を観測する。...(著者抄録)
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分類 (3件):
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原子と光子の相互作用  ,  その他の物質の放射線による構造と物性の変化  ,  その他の無機化合物のNMR 
引用文献 (11件):
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