抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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CFRPは熱硬化性樹脂,CFRTPは熱可塑性樹脂と炭素繊維の複合材料である。現時点では,熱硬化性樹脂,なかでもエポキシ樹脂を使用した成形品が主流である。エポキシ樹脂は,主剤と硬化剤を正確に混合する必要がある。一般的エポキシ樹脂は,室温下では硬化に十数時間必要で,硬化時間の制御には雰囲気温度や乾燥炉内温度を上げるなどするほかない。エポキシ樹脂は高価であるが,炭素繊維への含浸性や密着性に優れ,炭素繊維の性能を十分発揮できる。高機能エポキシ樹脂は作業性が劣っていたが,骨格や構造用として十分な性能を発揮する低粘度で室温硬化可能な種別が開発され,工法の幅も広がった。ただし,硬化剤が劇物指定であることが多い。炭素繊維にあらかじめ樹脂が含浸されたプリプレグを用いることも多い。プリプレグは,-15°C程度の環境下で保管しなくてはならず,硬化には,130~180°C程度の加熱が必須となる。ビニルエステル樹脂は,機械的特性や寸法安定性はエポキシ樹脂に及ばないが,耐食性や耐熱性に優れた種別が多い。コスト的にはエポキシ樹脂より安価な種別が多い。炭素繊維との相性もよく,低粘度で作業性もよく汎用性の高い樹脂である。スチレンモノマーなどの溶剤成分を含み,溶剤臭がきつい。フェノール樹脂の機械的特性や寸法安定性もエポキシ樹脂に及ばず,耐熱性や難燃性などの特徴を利用するために使用するケースが多い。不飽和ポリエステル樹脂は,ガラス繊維を用いた成形品に多用されている。低粘度で作業性もよく汎用性も高い樹脂である。スチレンモノマーなどの溶剤成分を含み,溶剤臭がきつい。炭素繊維との密着性や親和性に劣り,エポキシ樹脂と比較した場合に機械的特性や寸法安定性などが劣り,高機能製品には向かない。熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料は,一般的に耐熱性や耐薬品性などに優れた特徴をもつ種別が多い。炭素繊維との密着性や含浸性に劣るため,限られた条件下以外では思うような成果が得られないなど課題も多く,熱硬化性樹脂とは異なる成形方法が必要で,その成形方法にも課題がある。