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J-GLOBAL ID：201502215482033195   整理番号：15A0828102

ワダツミノキの組織培養と薬用成分含有量

著者 (3件)： 石井克明 (国際環境研究協) ,  石井克明 (森林総合研) ,  河村文郎 (森林総合研)
資料名： グリーンスピリッツ  (Green Spirits)
巻： 10  号： 2  ページ： 12-15  発行年： 2015年05月28日 
JST資料番号： L7533A  ISSN： 1880-5426  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ワダツミノキ(Nothapodytes amamianus)はクロタキカズラ科クサミズキの変種で,奄美大島に自生する絶滅危惧種である。本種には抗癌剤原料成分であるカンプトテシンを含有する。筆者らは,本種の組織培養の検討と薬用成分分析を行った。2年生の苗木から茎葉片を採取し,3cm程度に切断し,表面殺菌を行った後に,植物成長調整剤を添加した各種培地で培養条件を検討した。その結果,オーキシン利用等により,茎頂から発根させて植物体を再生できた。再生体から不定シュートを誘導し,さらに個体再生を図り,1本のシュート片から半年で約50本の植物体を得ることができた。ワダツミノキの葉の抽出物を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果,カンプトテシンを含有することが明らかになった。芽に近い部位ほどその含有量が多く,先端から6cm程度でその含有量は安定した。13個体の安定部位を分析した結果,含有率に約8倍の差が認められた。今後高含有個体をクローン化して,大量増殖を検討する。

シソーラス用語： *双子葉植物 ,  *組織培養 ,  絶滅危惧種 ,  抗腫瘍薬 ,  植物成長調整剤 ,  植物体再生 ,  高速液体クロマトグラフィー ,  *成分 ,  ラクタム ,  ラクトン ,  ヒドロキシ化合物 ,  芳香族縮合化合物 ,  *植物成分
準シソーラス用語： Nothapodytes amamianus ,  クロタキカズラ科 ,  *ワダツミノキ ,  植物組織培養

分類 (3件)： 植物の生化学  (EH01050J) ,  発生,成長,分化  (EH02030U) ,  薬用植物  (FC03075M)

物質索引 (1件)： カンプトテシン

引用文献 (5件)：

• Nagamasu, H., Kato, M. (2004) Nothapodytes amamianus (Icacinaceae), a new species from the Ryukyu Island. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica, 55, 75-78.
• Murashige, T., Skoog, F. (1962) A revised medium for rapid growth and bio assays with tobacco tissue cultures. Physiol Plant 15:473-497.
• Gupta P.K., Durzan D.J. 1985. Shoot multiplication from mature trees of Douglasfir (Pseudotsuga menziesii) and sugar pine (Pinus lambertiana). Plant Cell Rep., 4:177-179.
• Schenk R.U., Hildebrandt A.C. (1972) Medium and techniques for induction and growth of monocotyledonous and dicotyledonous plant cell culture. Can. J. Botany, 50:199-202.
• Quiolin, M., Lepoivre, P. (1977) Etude de milieu adaptes aux cultures in vitro de Prunus. Acta Hort. 78, 437-442

タイトルに関連する用語 (2件)： 組織培養 ,  含有量