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J-GLOBAL ID:201502215813790307   整理番号:15A1281187

ダクラタスビル耐性のC型肝炎ウイルスバリアントをNS5Aのアロステリック調節により再度感受性にする

Resensitizing daclatasvir-resistant hepatitis C variants by allosteric modulation of NS5A
著者 (22件):
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巻: 527  号: 7577  ページ: 245-248  発行年: 2015年11月12日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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C型肝炎ウイルス(HCV)には,世界中で1億7000万人以上が感染していると推定されている。このような慢性ウイルス性疾患の1つを直接作用型抗ウイルス薬だけを使う併用療法によって,人類史上初めて根絶できる可能性が,臨床試験によって実証された。HCVの非構造タンパク質であるNS5Aは,ウイルス複製周期の複数段階で必要とされる多機能タンパク質である。ダクラタスビル(DCV;別名BMS-790052もしくはダクルインザ)などのNS5A複製複合体阻害剤は,現在までに報告されている直接作用型抗HCV薬の中で最も強力なクラスに属しており,in vitroではピコモル(pM)から低ナノモル(nM)範囲の濃度で活性が見られる。in vitroで観察された効力を臨床的有効性に換算すると,HCV感染患者でのDCVの単回経口投与によりHCV RNAが約3~4log10減少することになる。DCVのこの非常に優れた効力の解明は,本研究の重要な目的であった。今回我々は,DCVとNS5A阻害剤類似体のSyn-395は共に,一部のNS5A耐性ウイルスバリアントに対して効力を示さないが,この2つを組み合わせて使用することでDCVの効力が1000倍以上に増強され,pM範囲の活性が戻ることを示す。この相乗効果は,HCV感染のキメラマウスモデルを用いてin vivoで確認された。これら2つの化合物の組み合わせで見られる協調的相互作用から,NS5Aタンパク質分子同士は相互に「情報伝達」を行っていると考えられる。つまり,一方の阻害剤が耐性を示すNS5Aに結合してコンホメーション変化を引き起こすと,それが隣接する複数のNS5Aに伝達されて,耐性を示すNS5Aが再び感受性となり,2つ目の阻害剤が作用できるようになって阻害活性が回復する。この前例のない相乗的抗HCV活性は,DCVに対する耐性獲得を起こりにくくする作用もあるため,HCV併用療法のさらに別の使い方も考えられ,またHCV複製周期におけるNS5Aの役割を解明するための新しい手掛かりとなる。Copyright Nature Publishing Group 2016
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抗ウイルス薬の基礎研究 
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