抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2012年に始まった固定価格買取制度に伴い,太陽光発電(PV)の導入量が著しく増加しており,一部の電力会社では連系可能容量を超えた接続認定容量となっている。PVの出力変動による電力系統の需給バランスへの影響が懸念されるが,供給不足に対しては従来電源の調整力の増加で,供給過剰に対しては出力抑制によって対応していくことが当面の方針となっている。しかしながら,これから将来にわたってPVの導入がますます進んでいくと,出力制御による逸失エネルギーが著しく増大するため,何らかの蓄電装置を用いてエネルギーを有効利用する必要がある。本稿では,PVが著しく導入された電力系統において,蓄電池システム(BESS)を需給運用に利用する状況を想定し,PV予測に基づくBESSの前日計画・当日運用手法を提案・評価した。この際,従来電源の起動停止計画および経済負荷配分制御を考慮した。1)前日のPV予測値を利用して充放電計画を作成し,当日運用では計画通りにBESSが充放電を行う,2)前日のPV予測値を利用して充放電計画を作成するが,当日運用では,PV出力が前日予測値より小さい場合は必要以上に充電を行わない,3)ケース1)と同じであるが,前日計画の時点で当日のPV出力を完全に予測できるものとする,の3つのケースについてシミュレーションを行って需給バランスと運用コストを評価した。BESSの設置容量を増加させることでPV出力抑制量は減少することが分った。シミュレーション結果は,予測精度の向上がさらなるPV利用率の向上につながることを示唆している。