抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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木材の長期需要予測のためのモデルを作成し,2050年までの予測を行った。木材を製材用材,合板用材,紙パルプ・チップ(以下,紙パ)用材に分け,それぞれモデルを作成した。外生変数には人口,一般経済指標,建築関連指標,技術変数を用いた。係数の推定方法は普通最小二乗法,使用データは原則として1960年から2010年の51年間の年次データである。モデルの推定結果は以下の通りである。(1)製材分野では,建築関連指標,人口とGDPを加え有意となった。(2)合板分野では建築関連指標のほかGDPも有意となった。(3)紙パ分野では紙・板紙需要と古紙利用率を変数とするモデルが得られた。紙・板紙を用途別に分類しモデルを作成した結果,主に人口とGDPが有意となった。作成したモデルによる予測結果及び考察は以下の通りである。(1)人口減少の結果,2050年の木材需要は減少する。特に製材用材需要の減少が大きい。(2)本モデルの2020年予測結果を現行の森林・林業基本計画の2020年の数値と比較した結果,製材用材と紙パ用材で異なる結果が得られた。(3)紙パ用材需要の割合がさらに大きくなることから,全体の自給率を議論する場合は広葉樹にも目を向ける必要がある。自給率は分母となる需要次第である。(著者抄録)