抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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上町断層帯は,大阪府のほぼ中央を南北方向に縦断する長さ51kmにも達する東側隆起の逆断層であり,今後30年以内の地震発生率は高いと考えられてきているが,その根拠は質量共に決して十分とはいえない。本研究では,新淀川付近において,既存のデータを補完する群列ボーリング調査及びマルチチャンネル音波探査を,大阪市北区長柄付近においてボーリング調査を,岸和田市磯上町付近では2点のピット掘削調査を,泉南郡田尻町吉見付近では2本のボーリング調査をそれぞれ実施し,地震考古学的に最近の活動時期と地震時変位量,活動区間に関する再検討を行った。その結果,上町断層帯主部の最新活動時期は約2400yrBP以降であり,約8500yrBPにも活動した可能性が指摘された。一方,上町断層帯沿岸部の最新活動時期は2200~2300yrBPと推定され,上町断層帯主部と同時に破壊した可能性が指摘された。さらに,弥生時代中期末頃に発生した河内湖沿岸における遺跡地の水没や遺跡「大阪城下町跡」における沿海州の離水に,上町断層帯主部の最新活動が関与した可能性が高いことが指摘された。