抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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今回同定された16種類のカルボニル化合物について大阪市浄水処理過程での挙動と浄水における年間を通じての濃度レベルを確認すると共に,浄水臭気への影響についても評価を行った結果を以下に報告する。1)カルボニル化合物のPFBOA誘導体化における反応温度の影響を調べた。2-ヘキサノン,3-ヘキサノン及びメチルエチルケトンについては,反応温度が高くなるほどに検出値が増加する傾向が認められた。2)高度浄水処理過程において,カルボニル化合物はオゾン及び塩素処理で生成し,砂ろ過池やGAC吸着池で濃度減少する挙動を示した。それらの中でも,オゾン処理では原水の2~3倍程度増加するが,浄水での増加はほとんど見られなかった物質(パターン1)と,オゾン処理,塩素処理共に増加が認められ,その比率も原水に比べて10~100倍と高くなった物質(パターン2)に分類できた。3)アルデヒド類の臭気の種類については,塩素系以外の回答が大半を占めるが,10物質中7物質については,1名もしくは複数名塩素臭を感じる被験者があった。このうち,過去の報告事例で浄水の臭気原因物質の一つとされている2-メチルブチルアルデヒドでは,半数が塩素臭を感じた。アルデヒド類の臭気閾値は0.1~15μg/Lとなっており,浄水より臭気閾値以上に検出した物質はなかった。4)ケトン類についても塩素系以外の回答が大半であったが,4物質中3物質については1,2名の被験者が塩素臭を感じた。臭気閾値についてはアルデヒド類を少し上回り,1.6~59μg/Lであることがわかった。メチルエチルケトン及び2-ヘキサノンについては臭気閾値以上に検出することはなかったが,シクロヘキサノンは全24回中1回,3-ヘキサノンについては10回,検出値が臭気閾値以上となる場合があった。