抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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非線形な力学系は限られた場合にしか厳密解が得られないが,多数の解の共存と多様性から,その性質に対する理解に興味が持たれてきた。工学では厳密な表現で議論できることが操作性,有用性,汎用性につながるとの認識から,ミクロからマクロまで,線形化に基づくシステム設計が積み上げられ,非線形性が発現する領域における議論は可能な限り避けられる傾向にある。本来,工学は完成された理論が通じる領域で閉じた学問ではなく,あえて理論的裏付けのない未開の境界領域に踏み入り,地ならしし,そこに種を見つけ樹木として育てたのち,果実を得る学問である。その意味で,非線形性に対峙するのではなく,必要に応じて手なずけることが,工学がなすべき挑戦である。非線形を手なずけるとは,非線形系の持つ性質について原点に戻って理解し,確認した上で,それらの非線形性を用いた新たな機能を生み出すことをここでは意味するものとする。以下,筆者が携わってきた研究の周辺から,解析と統合の観点に立脚し,目指すべき方向性について述べる。(著者抄録)