抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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従来,物を組み立てることで実現してきた工学の対象物の一部がソフトウェアに置きかわり,物では実現できなかった高度な機能を実現できるようになった。そして,機能の実現のためにプログラムの複雑度がどんどん上がった結果,その信頼性を確保することが難しくなっている。このように,物の中に情報技術が埋め込まれ,物を繋げるのも情報技術であることから,情報技術の重要性が格段に増している.しかし,日本人は,情報技術を利用することには熱心であったが,それを作り出している情報科学については教育投資を殆ど行ってこなかった.本稿では,従来の工学教育では何が問題となるのかを指摘し,情報科学の基礎学問であるComputing Scienceの中心課題であるプログラミングを工学教育における「デザイン教育」の視点で解説する.工業製品の中に占めるソフトウェアの比重が高まっているが.歴史の浅さからソフトウェアの信頼性は決して高くない.一方,ソフトウェア開発の中核をしめるプログラミングは,工学における「デザイン教育」の教材としても優れている.この状況に対応するために,先進国では全ての市民にプログラミングを教育することが始まっている.しかし,利用者教育しか行ってこなかった日本は,この動きに追従するのが困難である.最もそれを必要とする技術者には,工学教育の中でそれを行うべきであろう.その内容は,正しいプログラムを教えこむことではなく,問題発見,問題定義,設計,実現,評価を含む広義の「デザイン教育」として行うべきである。