抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,都市における農業・農地のいまに関し,都市農業と地産地消について報告した。先ず,都市農業における農産物の供給力に関し,農林水産省「2010年世界農林業センサス」によると,都市的地域の耕地面積は124.3万haで,全国耕地面積459.3haの27.1%を占めること,都市農業は縮小傾向にあるものの,依然として耕地面積,農家数とも全国の4分の1以上を維持し続けていること等を報告した。次に,都市における地産地消の現状に関し,都市農業において生産された農産物の出荷・販売状況等を報告した。更に,都市における地産地消の効果に関し,都市における農産物の生産と消費を結びつける地産地消の取り組みの効果等を報告した。加えて,都市農業の課題に関し,1)都市農業では高額な固定資産税や相続税の負担が農地売却の要因となっていることから,都市農家が経営を存続でき,また柔軟な経営展開が図れるように土地利用制度や税制を見直していくこと,2)都市では農家は生産物の販売環境には恵まれているものの,劣悪な生産環境の下で農産物を生産している農家が多いことから,いかに生産環境を維持して安全・安心な農産物を消費者に供給していくかということ等を報告した。最後に,都市農業振興基本法が2015年4月22日に公布・施行されたこと,これによって,都市農業の振興に必要な法制上,財政上,税制上,金融上の措置が講じられ,地産地消の取り組みがさらに発展することを期待することを報告した。