抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,食品保存または消毒に潜在的に用いることができる,水系カルバクロールマイクロエマルジョンの配合に寄与し得る一部の因子について調査することであった。本目的において,カルバクロールマイクロエマルジョン形成能を,5つの異なる非イオンマイクロ系エマルションにおける化合物の相挙動を検討することによって,初めて明らかにした。非イオン界面活性剤の種類などの相挙動,および溶解強化剤の存在に影響する因子ついても検討した。状態図から明らかなように,高いカルバクロール量を組み込むことができる完全に希釈可能なマイクロエマルション系を,抗菌性評価試験に選択した。同じマイクロエマルション系を,非イオン界面活性剤,Tween20(T20)をカチオン性塩化セチルピリジニウム(CPC)に代えることによって,カチオンの形態で再配合した。ディスク拡散法を用いて,種々の病原菌に対するこれらのマイクロエマルション系の活性を評価した。相挙動試験の結果は,カルバクロールが,完全に希釈可能な非イオンマイクロエマルション中の可溶化を容易にしない,興味深いフェノール化合物であることを示した。プロピレングリコール(PG)または短鎖アルコールなどの一部の溶解強化剤の導入は,本目的を実行することができたが,高い界面活性剤/カルバクロール比(9:1)は,希釈可能なマイクロエマルション中に1.0重量%のみのカルバクロールを溶解することが依然として必要であった。濃度の抗菌性評価試験は,T20および溶解強化剤を配合した非イオンカルバクロールマイクロエマルションが,水/PG(1:1)からなる界面活性剤を含まない水溶液中で配合した同じ濃度のカルバクロールよりも良好な抗菌活性を示さないことを明らかにした。一方,CPC配合カルバクロールマイクロエマルションは,T20配合マイクロエマルションよりも有意に高い抗菌活性を示した。本調査の結果は,非イオンマイクロエマルション中のカルバクロールの溶解能および相挙動,ならびに消毒および汚染除去用途におけるカチオン性カルバクロールマイクロエマルションの使用可能性に有用であった。(翻訳著者抄録)