抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,複雑なコイル構造等を必要とせずに渦電流探傷(ECT)や渦電流による材料表面状態評価の性能向上が期待できる手法として電気的な共振現象を用いた報告例がある。共振を用いたECTの一つの形態として,リフトオフ変動に起因する雑音の抑制を目的に,二つのコイルの一方を励磁コイル,もう一方を検出コイルとする相互誘導形ECTの励磁回路と検出回路の各々にキャパシタを接続することで共振回路を組む方法について,次の内容を紹介した。1)リフトオフ変動に起因する雑音を低下するために,リフトオフに対する電圧利得(励磁コイル両端電圧に対する検出コイル両端電圧の比)の変化率を小さくする手法がある。2)相互誘導形ECTの等価回路は互いに相互誘導の関係にある励磁コイルを含む回路,試験片を含む回路,及び検出コイルを含む回路の三つの回路で表すことができる。3)今回準備したECT試験体系の等価回路解析を行った結果,周波数105kHzの条件で共振を用いるとリフトオフ1mmから2mmの範囲で規格化電圧利得の変化率が小さくなることを確認した。また,本回路ではリフトオフが変化しても105kHz近傍に存在する共振周波数はほぼ一定の値を示すことが分かった。4)等価回路解析と同様の体系で試験を行った結果,計算結果と測定結果とは平均誤差4%で良い一致を示し,本等価回路解析の妥当性を検証した。