抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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佐渡島小木半島には,中期中新世の鶴子層の砕屑岩類と試行する小木玄武岩部層が分布する。12.7Ma以降に形成された玄武岩質安山岩~安山岩質の水中火山岩および貫入岩には,花崗岩,片岩,斑れい岩が多く含まれている。本論文では苦鉄質包有岩である斑れい岩の委細岩石学的特徴と鉱物化学組成を報告し,成因について予察的に検討した。24個の斑れい岩質包有物を採取し,薄片観察を行い,モード測定を行った。その結果,鉱物組合せにより3つのタイプに分類された。鉱物化学組成は,鉱物組合せにかかわらず非常に良く似た化学組成を持つことが明らかとなった。また,小木玄武岩の斑晶の化学組成の領域は斑れい岩質包有物中の各鉱物と重複する組成範囲を示している。片岩や花崗岩の捕獲岩は,小木半島の基盤に大陸地殻が存在していることを意味しているが,斑れい岩は日本海拡大に伴って活動した玄武岩質マグマから形成された深成相と考えられることが示唆された。
