抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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今後始まる沿岸部の除塩工事の設計や塩害の再発防止を最終目標に,除塩工事前の排水不良水田土壌中の塩分動態を調べることを目的として,約2年3ケ月にわたって野外塩移動モニタリング調査を行い,土壌塩分動態を調べた。その結果は以下の通りである。1)土壌体積含水率と塩濃度は逆相関を示し,今回の事例では,降雨による塩分希釈速度は蒸発による塩分濃縮速度よりも約6倍速い。2)蒸発および降雨に伴う塩移動範囲は1週間以内であれば地表から深さ60mmまでの表層に限られる。3)塩分の鉛直移動範囲は時間とともに拡大するが,1ケ月から2年間程度では地表から深さ200mmまでに限られ,それ以深の塩移動は無視できる。4)2)と3)より海水の冠水から1週間以内であれば,地表面下60mmまでの土壌が,1ケ月以上の期間になると地表面下200mmまでの土壌が,それぞれ排土や耕起による除塩対象となる。5)本調査地においては天水(雨水)除塩により,津波から約400日後に稲の根域(地表から深さ300mmまでの範囲)における総Cl-濃度が根域稲作許容値(3.0×104mg・mm/100g)を下回った。