抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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脆弱性(vulnerability)やレジリエンス(resilience)は,社会・生態システムの理解にとって有効で且つ豊かな可能性をもつ概念である。しかしながら,それらが価値依存的概念であるという性格をもち,さらに計測することが容易ではないことから,開発援助といった実践レベルでも理論レベルでも検討すべき点が多いことが指摘されている。検討すべき問題点の1つに地域スケールの問題がある。地理学者やポリティカル・エコロジー論者の中には,脆弱性やレジリエンス概念はすぐれて地域スケールに依存する概念であり,特定の地域に限定して理解される必要があることを強調する研究者が少なくない。我々もこのような見方にたち,以下の論文では1つの地域の事例を示すことで,脆弱性とレジリエンスについて考えてみることにした。焦点をあてたのは,1992年から2011年にわたり現地調査を行ったザンビアの1農村である。長期の現地調査によりこの地域の人間・環境関係の歴史的変化を検討し,小規模農民の脆弱性に影響を与えている多様でしばしば相互に関連する諸要因に関する分析を行った。(著者抄録)