抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,国内産小麦に対する需要が大きく変化している。本報では,国内産小麦のフードシステムの変容のトレンドを主産地ごとに示し,今後の国内産小麦の需要拡大に向けた課題を明らかにした。北海道では,大手2次加工業者が使用可能な中力系小麦と強力系小麦の品質と量が揃い,九州でもそれに準ずる供給体制が整いつつある。これらにより,日本における小麦製品での国内産小麦の使用状況は大きく変わる可能性がある。これまで,3大主産地産小麦は用途が異なり棲み分けができていたが,今後は,外国産との競合が強まり,3主産地間の競合も激しくなると予想される。そのため,それぞれ主産地ごとに異なるサプライチェーンも,より広域化する必要が出てきている。また,民間流通制度の導入後,国内産小麦を積極的に活用する動きが出てきており,その評価も大きく好転している。しかし,北海道や関東では需要が供給スピードに追い付かず,供給過剰を引き起こしている。一方,九州では,逆に品種によって需要拡大に供給が追い付かない状況が発生している。このような課題の発生は,小麦サプライヤーチェーン内での2次加工業者から小麦生産者への情報伝達不足に起因している。また,以前から作付されている品種の整理が進んでおらず,作付け品種が過大であることも重要課題の一つであろう。