抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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広葉材木中の道管分布は水輸送効率と安全性に直接関係する。ここでは,道管特性がカバノキ属(Betula platyphylla Roth.)の樹根,樹幹,および枝試料の各年輪における道管水力直径(VD),道管頻度(VF),理論的比透水係数(ks),および理論的衝撃圧縮抵抗(VIR)の測定による形成層齢(CA)のみより樹木内のCAとフロー経路長(PL)に依存するという仮説を検証した。CAとPLの影響を線形混合モデルを用いて分析した。道管特性の差はCA,PL,およびCAとPLの相互作用間で有意であった。VDはPLとともに直線的に減少し,VFは非線形的に増加した。PLはVDとVFの縦方向の変化の,それぞれ,59.3と67.3%を説明した。ksはPLとともに非線形的に減少し,VIRは直線的に増加した。PLはkとVIRの縦方向の変化の25.6と43.3%を説明した。半径方向の変化は地上部で明らかであり,VDは最初の10~20年ではCAとともに増加し,VFは減少し,残りはその後一定であった。ksはCAとともに対数的な増加を,VIRは対数的な減少を示した。可変半径方向パターンも地下部で観察された。CAはVD,VF,ks,およびVIRの半径方向変化の,それぞれ,30.9~98.8%,23.7~96.9%,42.9~96.8%,および50.9~98.5%を説明した。これらの結果により,道管特性の変化がCAとPLにより決定されることを示した。成長中には,樹木はそれらの道管を水輸送効率が最大になるように調節し,機械的安全性を保証する。(翻訳著者抄録)