抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年の大規模集積回路における製造技術の進歩にともない,TSVを用いた3次元VLSI設計が注目を集めている。TSVを使う方法では,1つのLSIに1,000本以上のTSVを使い配線することができるため,3次元に適したアルゴリズムから開発する必要がある。VLSIのレイアウト設計は,配置設計と配線設計に分かれ,その最初の段階に初期配置設計がある。本論文では3次元VLSIの中でも特に3次元FPGA初期配置について議論する。ところで,一般的に様々な最適化問題に対し,効率良く準最適解を求めるアルゴリズムの1つに,遺伝的アルゴリズムがあり,マクロセルを含む3次元FPGAの初期配置に対してもそのまま拡張できる。しかし1次元の遺伝子列(個体)で3次元の配置を表し,1次元配列を対象とした通常の遺伝的操作を行うと,配置構造が簡単に壊れて配線長の総和が小さい配置を得られない可能性がある。本論文では,マクロセルを考慮した3次元FPGA初期配置問題に対し,遺伝子に3次元構造を持たせ,3次元交叉,3次元突然変異を導入した,3次元FPGA初期配置のための遺伝的アルゴリズムを提案する。実験の結果,提案手法では立方体の配置領域に対し,順序交叉,交換突然変異を単純に適用した場合に比べ,平均24.4%配線長の総和が小さい配置を高速に得ることができた。また配置領域を直方体とした場合でも,従来手法に対し19.3%配線長の総和が小さい配置を高速に得ることができた。(著者抄録)