抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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タウリンには筋形成を促進する機能が期待できるので,ブタの筋線維が形成される胎仔期に,母体を介して胎仔へのタウリンの供給を強化し,産子の筋形成を促進できるかあきらかにすることを目的とした。市販の妊娠豚用飼料にタウリンを1.5%添加した飼料を妊娠1~105日目まで給与し,妊娠106日目から離乳までは市販の授乳豚用飼料にタウリンを1.5%添加した飼料を給与した。対照区には,妊娠1~105日目までは市販の妊娠豚用飼料を,妊娠106日目から離乳までは市販の授乳豚用飼料を給与した。分娩後の産子は,畜産草地研究所の通常の管理方法で飼育した。妊娠25日目の母豚の血漿遊離タウリン濃度は,タウリン強化飼料の給与で対照区の6倍になった(P<0.01)。しかし,タウリン強化飼料を給与した母豚から生まれた1日齢の子豚の血漿タウリン濃度は対照区と差がなかった。母豚の飼料にタウリンを強化すると生時体重が小さくなり(P<0.05),離乳体重も小さくなる傾向があった(P<0.10)。産子の胸最長筋のI型筋線維の割合にタウリン強化の影響はなかったが,mm<sup>2</sup>あたりの筋線維数は1日齢ではタウリン強化で多い傾向にあり(P<0.10),5週齢ではタウリン強化で多くなった(P<0.05)。1日齢と5週齢の産子の筋肉(胸最長筋,菱形筋,大腿二頭筋)のミオシン重鎖タンパク質のmRNAの発現量は,日齢にかかわらず,どちらの筋肉でも,タウリン強化の影響はなかった。今回の実験では,タウリンの筋形成促進効果を確認することはできなかった。(著者抄録)