抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ウナギ養殖は,その種苗を天然からのウナギ稚魚やシラスウナギの捕獲に全て頼っている。近年,ウナギ資源が減少していることから,天然資源の保護と養殖産業におけるウナギ供給の安定化を目的として,人工種苗生産の技術開発が強く望まれている。生活史が多くの謎に包まれていることから,長い間,人工孵化や仔魚の飼育は極めて困難だと考えられてきた。しかしながら,近年の集中的かつ継続的な海洋調査の末に,天然親魚の捕獲や,受精卵や孵化直後のレプトケファルス幼生の捕獲がなされ,遂にニホンウナギの産卵場所が判明した。一方,飼育条件では自然成熟しない親ウナギの人為催熟の技術や,人工孵化技術の向上を目的とした多数の研究も進められた。さらに,1990年代以降に最適な飼料が開発されてから,最も難しいステップである養殖ウナギからの孵化仔魚の生産に関する技術開発も進められた。その結果,2002年,世界で初めてシラスウナギのステージまで仔魚を飼育することに成功し,2010年になって第2世代の仔魚が生まれた。このようにして,天然資源に頼らないウナギ養殖技術は開発された。近い将来,シラスウナギの大量生産技術の開発が強く期待される。(翻訳著者抄録)