抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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宇宙の歴史を通して生成された星からの光の積算を宇宙赤外線背景放射として精度よく観測することで,点源としては観測できないような暗い天体まで含んだ星形成史を観測的に探ることが可能です。ところがその観測は前景の明るい黄道光のため不定性が大きくなってしまいます。そこで私たちは,木星の影に入り食の状態のガリレオ衛星を遮蔽体として用いることで,前景の黄道光の差し引き不定性によらずに宇宙赤外線背景放射を測定する手法を開発しました。しかしいざそのような目的でガリレオ衛星食を観測すると,木星の影の中で太陽光に照らされていないためガリレオ衛星は周囲の空より暗いと予想していたにもかかわらず,食中のガリレオ衛星が明るく観測されました。この原因を追究した結果,木星上層大気のヘイズによる太陽光の散乱が原因であることがわかりました。この新発見は,木星の縞模様を形作る木星の雲の形成を理解するのに重要なだけでなく,大気透過光の観測という立場から系外惑星の大気を探る研究においても重要です。(著者抄録)