抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
省エネルギー性に対する関心の高まりから,東京メトロでは,主電動機のロータに永久磁石を適用した永久磁石同期電動機(以下,PMSM)の導入を2007年から行っている。PMSMは,ロータ回転数と位相角を同期制御するため,1台のインバータで1台の電動機を制御する個別制御方式となる。このため軸単位に精緻なトルク制御が可能となり,空転・再粘着制御に対しては複数モータ制御より有利となるが,改善前には従来の制御方式を踏襲したため,個別制御方式の利点を活かしきれていなかった。一方,PMSMを採用している千代田線16000系車両において,降雨時に加速度が低下してしまう問題点があった。これに対し,PMSMにて各軸個別にトルク制御が可能である利点を活かし,M車4軸中,先頭の1軸は再粘着優先制御とし安定した基準速度を得て,残り3軸はある程度の空転を許容しトルク優先に連続的に制御することを盛り込んだアルゴリズムを考案した。この制御では,加速度と乗り心地の大きな改善が確認できた。また滑走制御においても急峻なトルク絞り込みがなく,より多くのトルク出力を確認した。