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J-GLOBAL ID：201502237743283570   整理番号：15A0367241

炎症:ケトン代謝物であるβ-ヒドロキシ酪酸はNLRP3インフラマソームを介する炎症性疾患を抑制する

The ketone metabolite β-hydroxybutyrate blocks NLRP3 inflammasome-mediated inflammatory disease

著者 (17件)： YOUM Yun-Hee (Yale School of Medicine, Connecticut, USA) ,  NGUYEN Kim Y (Yale School of Medicine, Connecticut, USA) ,  GOLDBERG Emily L (Yale School of Medicine, Connecticut, USA) ,  HORVATH Tamas L (Yale School of Medicine, Connecticut, USA) ,  DIXIT Vishwa Deep (Yale School of Medicine, Connecticut, USA) ,  GRANT Ryan W (Purdue Univ., Indiana) ,  BODOGAI Monica (National Inst. of Health (NIH), Maryland, USA) ,  BIRAGYN Arya (National Inst. of Health (NIH), Maryland, USA) ,  KIM Dongin (Yale Univ., Connecticut, USA) ,  FAHMY Tarek M (Yale Univ., Connecticut, USA) ,  D’AGOSTINO Dominic (Univ. South Florida, Florida, USA) ,  PLANAVSKY Noah (Yale Univ., Connecticut, USA) ,  LUPFER Christopher (St. Jude Children’s Hospital, Tennessee, USA) ,  KANNEGANTI Thirumala D (St. Jude Children’s Hospital, Tennessee, USA) ,  KANG Seokwon (Thomas Jefferson Univ., Pennsylvania, USA) ,  ALNEMRI Emad (Thomas Jefferson Univ., Pennsylvania, USA) ,  CRAWFORD Peter A (Sanford-Burnham Medical Res. Inst., Florida, USA)
資料名： Nature Medicine  (Nature Medicine)
巻： 21  号： 3  ページ： 263-269  発行年： 2015年03月 
JST資料番号： W0636A  ISSN： 1078-8956  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： アメリカ合衆国 (USA)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： ケトン体であるβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)とアセト酢酸(AcAc)は,エネルギー欠乏時にATPの代替供給源となることで,哺乳類の生存を助ける。BHBの量は,飢餓やカロリー制限,激しい運動,あるいは炭水化物量の少ないケト原性食によって増加する。長期にわたる絶食は炎症を抑制するが,エネルギー欠乏時に産生されるケトン体などの代替的代謝エネルギー源が自然免疫応答に及ぼす影響については明らかになっていない。BHBは尿酸結晶やATP,脂肪毒性のある脂肪酸に応じて起こるNLRP3インフラマソーム活性化を抑制するが,AcAcや構造的に近縁の短鎖脂肪酸である酪酸や酢酸ではこうした抑制が見られないことが分かった。BHBは,NLRC4(NLR family,CARD domain containing4)やAIM2(absent in melanoma2)インフラマソームを活性化する病原体に応じて起こるカスパーゼ1活性化は阻害しなかったし,非定型的なカスパーゼ11によるインフラマソーム活性化にも影響を及ぼさなかった。抑制の機序として,BHBはカリウムイオン流出を妨げ,ASCのオリゴマー化やスペック形成を低下させることでNLRP3インフラマソームを阻害する。BHBがNLRP3に及ぼす阻害効果は,そのキラリティーには依存せず,またAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)や活性酸素種(ROS),オートファジーあるいは解糖系阻害のような,飢餓によって調節される機序にも依存しない。BHBはクエン酸回路で酸化を受けることなくNLRP3インフラマソームを阻害し,脱共役タンパク質2(UCP2)やサーチュイン2(SIRT2),Gタンパク質共役受容体であるGPR109A(別名HCAR2)に非依存的である。BHBは,ヒト単球でNLRP3インフラマソームが仲介するインターロイキン1βやIL-18の産生を抑制する。in vivoでは,マックル・ウェルズ症候群や家族性寒冷自己炎症症候群,尿酸結晶による腹膜炎などのNLRP3を介する疾患のマウスモデルで,BHBやケト原性食はカスパーゼ1活性化やIL-1β分泌を抑制する。...Copyright Nature Publishing Group 2015

シソーラス用語： *代謝産物 ,  ケトン ,  情報伝達受容体 ,  タンパク質複合体 ,  *炎症 ,  *抑制 ,  エネルギー供給 ,  哺乳類 ,  栄養管理 ,  飢餓 ,  *自然免疫 ,  毒性 ,  アダプタータンパク質 ,  病原体 ,  カスパーゼ ,  酵素活性化 ,  性質 ,  活性酸素 ,  オートファジー ,  セリン/トレオニンキナーゼ ,  解糖系 ,  クエン酸サイクル ,  脱共役タンパク質 ,  膜タンパク質 ,  ADPリボシルトランスフェラーゼ ,  ヒストンデアセチラーゼ ,  タンパク質 ,  インターロイキン1 ,  インターロイキン ,  *タンパク質合成 ,  脂肪族アルコール ,  脂肪族カルボン酸 ,  ヒドロキシ酸 ,  脂肪族ケトン ,  ケト酸
準シソーラス用語： NLRP3 ,  インフラマソーム ,  *炎症性疾患 ,  カロリー制限 ,  脂肪毒性 ,  AIM2 ,  カスパーゼ1 ,  キラリティ ,  AMPK ,  UCP2 ,  SIRT2 ,  IL1β ,  IL-18 ,  *サイトカイン産生 ,  *自己炎症症候群

分類 (3件)： 脂肪族カルボン酸・ペルオキシカルボン酸・チオカルボン酸  (CF03200E) ,  免疫反応一般  (ED03010T) ,  消炎薬の基礎研究  (GW15010T)

物質索引 (2件)： β-ヒドロキシ酪酸 ,  アセト酢酸

タイトルに関連する用語 (6件)： 炎症 ,  ケトン ,  代謝物 ,  ヒドロキシ酪酸 ,  NLRP3インフラマソーム ,  炎症性疾患