抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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spam対策技術の1つであるgreylistingは「spam発信MTAは再送をしない」との仮説に基づき送信者に対して一時エラーのレスポンスコードを返し,再送をうながす対策手法である。greylistingはspam排除の効果は高いが,適用するすべてのメールに再送要求をするため,通常メールにも大きな配送遅延が生じる。我々が運用しているメールサーバにおいても通常メールを受信するまでに平均1時間15分の遅延が生じていた。通常メール送信者をwhitelistに登録すれば,そこからのメールの配送遅延は回避できる。しかしすべての通常メール送信者をwhitelistに登録するのは不可能である。そこで2012年2月にmilter managerを導入し,SPF,S25Rの判定結果を用いてgreylistingを適用するかを決定するメールシステムを構築した。SPF,S25Rを用いて通常メールとspamを分類することで,SPF,S25Rによる検査のみで受信できるメールが増え,greylistingによる再送を抑制できる。milter manager導入前と導入後の通常メールに対するgreylistingの再送要求割合を比較し,43.1%から17.0%まで減少していたことを確認した。このことから,milter managerを用いてmilterを組み合わせることで,通常メールに対する配送遅延を軽減することに成功した。(著者抄録)