抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高等学校の数学科では,平成24年度から新学習指導要領に基づく教育が実施されている。新学習指導要領では,数学科の目標において「数学の見方や考え方のよさ」を「数学のよさ」に変更し,数学のよさをより広く捉えている。筆者は,組合せの2進数表示を開発し,座標平面上での組合せの表示やいくつかの等式の証明を通じて数学の表現・処理のよさを体感できる教材を作成した。本研究の目的は,係数が1や-1以外の組合せの等式を議論するために,組合せの2進数表示における積の解釈を開発することである。本稿では,k×
nC
rにおいてkがrまたは(n+1)の場合についての解釈を示し,3つの等式に適用する。また,解釈と等式からなる教材の活用方法やよさについて述べる。本研究では,高等学校向けの教材として組合せの2進数表示を取り扱うが,高等専門学校においても活用できると考える。本研究の成果は,次の3点である。1)k×
nC
rにおいてkがrまたは(n+1)の場合についての解釈を開発した。2)
(n+1)C
r×
nC
rを(r+1)で割った場合の解釈を開発した。3)解釈と3つの等式からなる教材を作成した。本研究により,組合せの積の解釈の制約の一部が解消された。しかしながら,2つの場合以外の組合せの積に適用できる適切な解釈が見いだせていない。