抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
多焦点レンズ(累進多焦点レンズ)は,60年前に構想が出されてから,各種の技術発展を遂げて,現在6,7世代技術にある。多くの大手レンズメーカが,自社製品の収差は非常にわずかであると宣伝するが,多焦点レンズの収差は避けられない。多焦点レンズは,かってない成功を得たかどうかという質問には一概に回答できない。まちがいなく多焦点レンズ眼鏡は,美観が良く,軽量で,かつ販売益が高い。多焦点レンズ眼鏡の着用は,慣れるまで1~2週間かかる。例として,人口の約10%は片目が遠視で,片目が近視であることから,慣れるために眼と脳が協働する。最も先進的な技術は,多焦点レンズの個人化である。眼鏡フレームは使用中に鼻に沿って下に下がることがあり,その影響の修正は脳が行っている。過去に設計者たちは,単一視レンズに注目し,視覚は,平面レンズから屈折率6.0までの変化に最適化され,つぎにZeiss,Othagon,Tiller各社の曲線補正がより良いことがわかった。またマイナスシリンダレンズの修正曲線が,理論的に目に近い視野を与える。結論として,なぜ多焦点レンズが成功したかという問いに関しては,それは眼の心の中にある,あるいは,眺める者の目の中にある,という諺で説明できるかもしれない。本稿はこれらについて解説した。