抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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機械装置や構造物の故障・破壊を防いで信頼性を向上させるため,これらを構成する部品・材料の故障を物理的な立場から扱うことが行われる。これが故障物理である。本稿では,故障物理と材料劣化試験法について解説する。故障物理は信頼性工学を支える基礎・基盤の技術であり,「部品材料の故障を原理的に原子,分子的な立場から解明」する分野であるといわれる。機械装置や構造物の故障といった現象は,破局的に突然に起こって機能を失う破局故障と,徐々に部分的に機能を失って生ずる劣化故障,それらの中間的な形態で生じる故障など様々である。これらについて故障物理では次のようにモデル化されている。1)限界モデル(ストレス・応力モデル含む),2)故障率モデル,3)反応論モデル,4)累積故障モデル。本文では,信頼性や故障物理の観点から材料劣化,特に腐食の事例を試験例とともに紹介した。故障物理では劣化のモデルにより劣化の現象や反応を明らかにしようとする。この営みは腐食防食を中心とする材料劣化の理解・対策による故障の撲滅に向かう重要な営みである。ただし,我々が実用分野において検討を行うとき,必ずしも机上の検討とは同じ結論にならないように見える場合や,複数の現象・反応が組み合わさってモデルの妥当性を見出すために考察が必要な場合もある。