抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
少子高齢化が急速に進行しつつある現在,現役世代の過重な負担を軽減するためには,高齢者もできるだけ長く働くことが要請されており,70歳までの雇用延長のあり方も検討されている。現行の高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用確保措置として,1)定年年齢の引き上げ,2)定年の定めの廃止,3)継続雇用制度の導入のいずれかで対応することを義務付けている。小零細事業所では定年制のないところが多いが,その他の事業所では継続雇用制度を導入しているところが大半である。対象者を選別できる基準制度が廃止された現在,企業は増加する雇用延長した高齢者をいかに戦力化,活性化するかが問われている。だが,雇用延長の実態は,望ましくない方向に進んでいると言わざるを得ない。高齢者の就業に対する希望は,現職継続で働きたい者が多数を占めているが,他方で仕事の内容や責任を軽減して働きたい,短時間勤務で働きたいといった者もいる。やる気のある現役志向者のモチベーションを高め,ぶら下がり社員の増加を防ぐには,処遇の人基準から仕事基準への転換が必要である。継続雇用者の職務遂行能力と希望を勘案して配置するための「選択的コース別雇用管理」の概要を紹介した。現職継続コース,軽減型現職継続コース,経験活用型職務変更コース,職種転換型コースのいずれかに高齢者を配置することになる。継続雇用者およびその予定者に,先ずやらねばならないのは意識改革で,次に必要なのが仕事と能力の擦りあわせである。さらに,コミュニケーション能力を高める訓練も必要である。これまで日本の企業が行ってきた人事管理の根幹は,一律処遇的な年功管理であった。高齢者雇用においては,仕事基準の人事管理に切り替える必要がある。