抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文は,京都の寺院における白川砂の利用と維持管理について報告した。先ず,京都市左京区の比叡山と大文字山の間の北白川地域には南北5~7km,東西約5kmの北白川花崗岩地帯があること,この地帯は古くから「白川石」という良質の黒雲母花崗岩と「白川砂」という美しい花崗岩の砂利を産出してきたこと,本研究では京都の寺院における白川砂の種類,今日の利用方法や維持管理を把握し,京都の寺院における白川砂を用いた景観の保全のための白川砂に関する基礎的な知見を得ることを目的としたこと等を報告した。次に,研究の対象と方法,結果を報告した。更に,考察と今後の課題として,京都の寺院における白川砂を用いた景観を保全するためには,1)現存する「白川石砕石」を可能な限り維持し,「代替品」を利用する場合には特徴が類似したものを選択すること,2)白川砂の用途や砂紋の有無を考慮し,適切な厚さと粒度を維持すること,3)多様な紋様を継承しながら,白川砂の意匠を保全すること,4)白川砂を再利用する可能性についても検討することを報告した。最後に,まとめとして,京都の寺院に利用されている白川砂には,「北白川川砂」・「白川石砕石」・「代替品」の3種類がみられたこと,今後の白川砂を用いた景観の保全においては,適切な管理による「白川石砕石」の維持,砕石の特徴を重んじた「代替品」の選択,砂の厚さや粒度の配慮,多様な砂紋の継承と創作,白川石の再利用について検討することが重要であること等を報告した。