抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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代表的なコロイドとして高校の化学で取り上げられる水酸化鉄(III)コロイドは疎水コロイドに分類され,正コロイドであるためシュルツ・ハーディの法則によると価数の高い陰イオンほど凝析の効果が大きくなると考えられる。そこで,水酸化鉄(III)コロイド溶液に価数の異なる陰イオンを含む種々の電解質水溶液を加える実験を行い,陰イオンの価数の違いによる凝析力の差異の検証を試みた。教科書の記載に従って沸騰水に塩化鉄(III)水溶液を加える方法で水酸化鉄(III)コロイド溶液を調製し,NaCl水溶液,Na
2SO
4水溶液,アンモニア水,NaOH水溶液,K
2Cr
2O
7水溶液,Na
2CO
3水溶液,Na
3PO
4水溶液,K
3[Fe
3(CN)
6]水溶液を加えて,それぞれの電解質水溶液によるコロイドの凝析を観察した。その結果,Cl
-に比べてSO
42-の凝析力がかなり大きいことやCr
2O
72
-がSO
42-と同程度の凝析力を示すことを確認した。Na
2CO
3及びNa
3PO
4水溶液は2価及び3価の陰イオンに期待されるよりも凝析力が小さかったが,これは調製したFe(OH)
3のコロイド溶液が酸性であるためと考えられる。