抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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渇水の影響は,一般に水文的な渇水事象の深刻度に対応し,それは河川流量の渇水継続期間,または不足水量によって表現可能である。渇水の影響を受けやすい地域の予測および抽出には,河川流量渇水の深刻度と気候および流域特性とが,どのように関連しているかを知ることが極めて重要である。本研究において,筆者らは,長期時系列の水文気象データ(平均でおよそ50年),および地形的な流域特性に関する膨大な情報のある44流域によって構成されたオーストラリア総合的データセットに基づき,渇水の深刻度の制御に関する研究を行った。渇水の解析は,変動閾値法により行い,また様々な統計ツールを適用したが,それらは二変量相関解析,ヒートマップ,多重回帰に基づく線形モデル,変動傾斜モデル,自動逐次回帰法などである。結果は,河川流量の渇水継続時間は,主に貯水量に支配され,基底流量指数あるいは流域特性の組合せによって定量化される,ということを示している。流域特性は,例えば地形および土地利用であり,貯水および放流と関連付けられる。加えて,降水中における無降雨の継続時間は,河川流量の渇水継続に対して重要である。しかしながら,水文的な水不足は,流域の平均的な湿潤度(平均年降水量で表される),および標高(積雪量および氷河の季節的な貯留を反映する)に左右される。渇水継続期間および水不足とも,気候と流域管理状況との組合せで決まるが,しかし同じ様にはならない,というのが筆者らの結論である。気象のはたらきの他に,貯留が重要であり,土壌,帯水層,湖沼などの貯留は渇水継続時間に影響し,また,積雪や氷河による季節的な貯留は,水不足に影響する。したがって,水文的な渇水の深刻度の空間的変化は,陸上の水文過程に大きく依存している。Copyright 2015 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.