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J-GLOBAL ID：201502254049615460   整理番号：15A0303033

水素を含む高圧氷の構造と熱力学的安定性

Structure and Thermodynamic Stability of High-Pressure Filled Ices Containing Hydrogen

著者 (4件)： HAKIM Lukman (Dep. of Chemistry, Fac. of Sci., Brawijaya Univ.) ,  矢ケ崎琢磨 (岡山大学大学院 自然科学研究科(理学部 化学科)) ,  松本正和 (岡山大学大学院 自然科学研究科(理学部 化学科)) ,  田中秀樹 (岡山大学大学院 自然科学研究科(理学部 化学科))
資料名： 高圧力の科学と技術  (Review of High Pressure Science and Technology)
巻： 24  号： 4  ページ： 265-269 (J-STAGE)  発行年： 2014年 
JST資料番号： L1386A  ISSN： 0917-639X  CODEN： KKGIE2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 近年,メタンや水素のハイドレートへの工業的関心が高まったが,基本的な生成条件や安定性を調べることは難しい。本報では,統計力学(van der Waals-Platteeuw(vdWP)理論)とモンテカルロシミュレーションにより,水素分子を含む氷I_Cと氷IIを研究し,水素の包接量と安定性を予測し,また空洞占有の自由エネルギーから熱力学的安定性と相挙動を推定した。水分子の特性から氷水素結合は分子当り4で,水分子は正四面体の頂点方向の4分子と水素結合した正四面体配置となる。常圧ではI_Cや六方晶氷(I_h)が歪の無い正四面体配置の構造だが,隙間が多く,2GPa以上の高圧では2つのI_Cが入れ子になった非常に高密度の氷IIができる。一方,高圧水素雰囲気では,水分子に代え水素が隙間に入り,C₂と呼ぶ包接化合物ができる。また氷IIの円筒状空洞に水素が取込まれたC₁と呼ぶ構造もある。氷I_Cと氷IIの内部水素占有率を調べた。モンテカルロ法により広範な圧力,温度にわたり調べた。簡単な理論モデルで,二成分系の種々の相間相平衡を予測する大域的相図を提供した。

シソーラス用語： モンテカルロ法 ,  ガスハイドレート ,  *水素 ,  *高圧 ,  *氷 ,  水和物 ,  包接化合物 ,  *統計力学 ,  *シミュレーション ,  安定性 ,  占有率 ,  自由エネルギー ,  挙動 ,  熱力学的安定度 ,  水素結合 ,  四面体 ,  モデル ,  状態図
準シソーラス用語： クラスレートハイドレート ,  *モンテカルロシミュレーション ,  相挙動 ,  正四面体 ,  理論モデル ,  相図

分類 (4件)： 分子化合物  (CE02000C) ,  無機物質からなる多成分系の相平衡・状態図  (CB03015S) ,  化合物の化学熱力学(混合系)  (CB02033Z) ,  計算機シミュレーション  (JE11000H)

引用文献 (10件)：

• [1] D.W. Davidson: in Water-A Comprehensive Treatise, ed. F. Franks (Plenum, New York, 1973) Vol. 2.
• [2] E.D. Sloan, C.A. Koh: Clathrate Hydrates of Natural Gases, 3rd ed., CRC Press, Boca Raton, FL, USA (2008).
• [3] K. Lokhsin, Y. Zhao, D. He, W.L. Mao, H. Mao, R.J. Hemley, M.V. Lobanov, M. Greenblatt: Phys. Rev. Lett., 93, 12553 (2004).
• [4] T.A. Strobel, C.A. Koh, E.D. Sloan: J. Phys. Chem. B, 112, 1885 (2008).
• [5] J.H. van der Waals, J.C. Platteeuw: Adv. Chem. Phys., 2, 1 (1959).

タイトルに関連する用語 (4件)： 水素 ,  高圧 ,  氷 ,  熱力学的安定性