抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2030年の全電源中の再生可能エネルギー総計の目標は30%程度と見込まれているが,太陽光,陸上風力,地熱には大きな増加は期待できず,洋上風力,海洋再生可能エネルギーが主役の一角を占めると考えられている。本稿では,英国政府が設立した,非営利の独立企業カーボントラスト社が進める沖合風力発電促進プロジェクト(OWA)を紹介し我が国においてのテクノロジーイノベーション,産業化に必要な項目について述べている。OWAの実施体制にメーカー自体は入っていないがイノベーションを審査する第3者グループがイノベーションを公募しメーカーからの提案の評価を繰り返している。OWAはイノベーション技術を,すでにデモンストーレーション実証試験を終えた技術にしぼり,商用システムの実海域検証までの期間と経費の最小化を狙っている。我が国での産業化に向けての政府の対応すべき課題としては,将来の市場規模と社会コスト削減のロードマップの明示,固定価格買い取り制度と価格レベルの見直し,許認可制度の簡素化などがある。また,メーカーに豊富な経験が集積しているとは言い難い。英国では人材育成から共同研究,陸上ベンチテスト,実証試験までの一貫システムがある。技術以前に海洋再生可能エネルギー発電所が実現されるための条件整備が急がれる。