抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
固体壁近傍の気泡またはキャビテーションは,各種工学応用で極めて重要である。剛体壁に非常に近い,または非常に狭い隙間内の気泡の動特性は,壁から離れた気泡挙動とは異なり,縮流段階で壁面に向かう高速噴流が剛体壁に直接衝突し,構造に甚大被害を与える。本研究では,速度ポテンシャル理論と境界要素法(BEM)に基づき,数値的困難を克服し,軸対称気泡衝突を模擬した。また広範な実験と数値解析を用いて,気泡動力学に及ぼす無次元距離の効果を調べた。一連の実験は透明水槽中の水平台の近くで,220Vの電気スパークで気泡を発生させて実施し,気泡運動と変形を高速ビデオで記録した。数学モデルはLaplace式による。気泡中の気体状態方程式と,境界要素法(BEM),Greenの第三アイデンティティによる変換を用いた。気泡中心間の初期距離と最大半径(約15mm)の比の,無次元パラメータ(λ)が0.45で,衝突気泡の成長と分裂に伴い,壁面に向かう中心噴流が生ずることを確認した。数値解析は,気泡面が壁に非常に近いか,水層が十分薄いときに,気泡下の圧力が,ほぼ気泡内圧に等しく,水層を除去した解析の妥当性を示す。水層が除去されると,気泡の反対側に形成される噴流が壁に直接衝突し,流れは壁に沿って半径方向に拡がり,最終的に外側接触点と合体することを示した。また気泡と剛体壁の間の距離は,λが0.6以上で,噴流速度はλと共に増加した。