抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「飛騨おとめ」は,岐阜県中山間農業研究所において「川中島白桃」と「やまなし白鳳」の交雑組み合わせから選抜された品種である。本品種は1998年に交配,1999年に播種し(387種子),2006年に6個体の実生の中から選抜した。2012年11月に「飛騨おとめ」と命名して種苗法に基づき品種登録出願し,2013年12月16日に登録番号第22894号として認定された。樹姿は開張性で,樹勢は中程度である。開花期は「白鳳」,「昭和白桃」より2~3日早く,育成地で4月下旬~5月上旬である。花粉は少ないが,花芽の着生は多く,結実は良好である。葉芽の着生が少ないため枝がはげ上がりやすい特性がある。成熟期は育成地で満開106日後の8月中旬で,「白鳳」の約10日後である。果実は大きく,果重は約320gである。果形は円形で,果皮色は濃赤である。果肉は硬く,糖度は15.8°で甘味が多く,酸味は少ない。収量性は「白鳳」並と考えられ,生理落果や核割れの発生が少ないため,健全果率や秀品率が「白鳳」や「昭和白桃」より高かった。今後「飛騨おとめ」は,岐阜県飛騨地域における基幹品種の「白鳳」と「昭和白桃」をつなぐ良食味品種として,贈答用や観光果樹園での普及が期待される。(著者抄録)